行政書士法改正
自動車販売店 × 行政書士
「業務の境界線」ガイド

📌 1. 業務仕分け一覧表
A. 車庫証明関連

B. 自動車登録(新規・移転・変更)

C. 顧客サポート・説明業務

D. 費用・名目に関する注意点

📌 2. 自動車販売店ができること・できないこと(要点まとめ)
❌ 販売店ができない(違法となる)
• 車庫証明・登録書類の作成
• 顧客情報を使った書類作成(社内DB含む)
• 書類提出の反復継続的な代行
• 提出後の訂正・補正対応
• 名目を変えて費用を受け取る(登録代行料など)
⭕ 販売店ができる(適法)
• 手続きの流れ説明
• 必要書類の案内(作成代行にならない範囲)
• 行政書士への取次ぎ
• ナンバー受領・封印補助
• 行政書士への委託費用を顧客に請求(実費)

📌 3. 行政書士法改正のポイント(販売店に関係する部分)
• 「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」 が追加され、
書類作成代行のグレーゾーンが完全に排除
• 両罰規定の導入により、従業員だけでなく会社も罰則対象
• 日行連通知で、販売店のNG行為が具体例として明示

 

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向け行政書士法コンプライアンス・セルフチェックシート】
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【改正においての最大の疑問】
使者」と「代行」の境界線

「使者(お使い)」と「提出代行(業務)」の線引きは、一見似ていますが、法的には『ただ運ぶだけか、中身に責任を持つか』という大きな違いがあります。

1. 「使者(お使い)」がOKな理由

​使者とは、あくまで「お客様(申請者)が完成させた書類を、そのまま窓口に届けるだけの”足”」としての役割です。
​裁量がない: 届ける人は中身を判断せず、ただ預かったものを出すだけ。
責任の所在: 書類の内容に不備があった場合、それは作成した本人(お客様)の責任となります。
報酬: 書類を届けること自体に対して報酬が発生しない(販売に付随するサービス)。 

2. 「仕分け・提出代行」がNGとされる理由 

一方で、法改正で厳格化される「仕分け」や「組織的な提出代行」は、単なるお使いの域を超えているとみなされます。

チェックと判断(仕分け): 複数の書類をまとめ、不備がないか確認し、窓口ごとに分類する行為は、行政書類の完成度を高める実質的な作成行為」の一部とみなされます。

代行としての業性: お店が「代行費用」などの名目で料金を徴収したり、恒常的に「手続き一式を引き受ける」と謳ったりする場合、それは行政書士法で定められた「官公署に提出する書類の作成・提出代行」という独占業務に抵触します。


比較表

項目 使者(OK) 提出代行・仕分け(NGの可能性)
役割 封筒を届ける「郵便屋さん」と同じ 内容を精査して進める「専門家」の動き
書類の修正 できない(本人に返すべき) その場で不備を判断し、整える
販売店様のスタンス お客様が書いたものを「預かって出す」だけ お店が主導して「手続きを完了させる」
法的なリスク 本人申請の延長 行政書士法違反(非行政書士の業)

 

なぜ「仕分け」がダメなのか?

「仕分け」には必ず「この書類で通るか?」という法的判断が伴います。
もし販売店様が仕分けをして、万が一書類が受理されなかった場合、その責任は販売店様に及んでしまいます。​法改正の意図は、販売店様を縛ることではなく、「責任の所在を明確にし、法的トラブルから販売店様とお客様を守ること」にあります。
そのため、専門的な判断を伴う「仕分け」や「代行」は、国家資格を持つ行政書士が行うべき領域として区別されているのです。

販売店様へ(まとめ)

お客様が書いたものをそのまま届けるだけなら問題ありません。
しかし、『書類が揃っているか確認し、不備を直し、窓口で交渉する』といった、プロとしての責任が伴う部分は、行政書士にお任せください。
それが販売店様のリスクヘッジ(コンプライアンス遵守)に直結します。

 

☑「使者」と「代行」の境界線チェックリスト

1.書類の作成・準備に関する行為

行為内容 使者(OK) 代行・代書(NG)
お客様がすべて記入した書類を預かる
空欄にお客様の代わりに記入する(住所・氏名・車台番号等)
書類の誤字・脱字を店側で修正する(訂正印の使用含む)
委任状の作成を店側で代行する
判断基準 「ペンを持って書く」行為は代書にあたります


2.書類の確認・仕分けに関する行為

行為内容 使者(OK) 代行・代書(NG)
封筒に入れられた「中身の見えない」書類を運ぶ
書類の内容を確認し、不備がないかチェックする(検品)
警察署や運輸支局の窓口ごとに書類を分類・整理する(仕分け)
申請に必要な添付書類(印鑑証明等)の有効期限を判断する
判断基準 「中身を見て受理されるか判断する」のは専門業務です


3.窓口での提出・受領に関する行為

行為内容 使者(OK) 代行・代書(NG)
預かった書類をそのまま窓口に差し出す
窓口担当者からの質問に対し、申請内容の補足説明をする
窓口で不備を指摘された際、その場で修正対応する
交付された車検証や標章を受け取り、持ち帰る
判断基準 窓口との「交渉・対話」が発生すれば使者を超えています


4.費用とビジネスモデルに関する項目

項目 使者(OK) 代行・代書(NG)
手続きに関わる実費(印紙代等)のみを預かる
「登録代行費用」「車庫証明取得費用」として報酬を得る
業として(反復継続して)他人の手続きを請け負う

 

なぜ「仕分け」がNGなのか?(販売店様への補足説明)

「ただ並び替えるだけならいいじゃないか」と思われがちですが、法改正においてここが厳格化された理由は以下の通りです。

​「仕分け」=「受理される状態に整える最終確認」
​窓口に出す前に書類を整理する行為は、単なる運搬ではなく「行政手続きを円滑に進めるための法的判断」を含んでいます。

もし、仕分けをした結果、書類に不備があって登録が遅れた場合、その責任は「仕分けをした人(販売店様)」に及んでしまいます。

結論

販売店様がリスクを負わずに済むよう、「中身のチェックや整理が必要な段階」からは、国家資格と賠償責任保険を持つ行政書士にバトンタッチしていただくのが、最も安全な運用となります。